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関東で強風だった。
唸る風、畑が広がる線路沿いの通勤路、赤茶けた土埃が高く舞っていた。
立春を過ぎているし、その発生条件を満たさないから、春一番とはいえないが。
その語源は安政6年の漁船転覆、死者も多く出した事故によるものとの説があって、
被害が大きくなることもあるのだし、その発生を喜ぶべきではないのかもしれないが、
観測なし の今年は、少し寂しいようにも思った。

目を開けられない、
風に身体を押されて、思わず声が上がる。
強い風に吹かれて、身体が動く、
迫りくる風に自分の後退が許されないような思いに捉われて、足を踏ん張る。
その迫る勢いは、風の姿を借りたなにかの象徴のように、
風に晒されて心に生まれるものは、不安と少しの何がしかへの期待・・


こんな風の強い日に、
ピーターパンは、ウェンディを、ジェーンを、迎えに来るのだろう。
春の大掃除を手伝って、と。

又三郎が分教場に現れたのは9月1日木曜日だった。
夏休みが終わって勉強に心身切り替えねばならない節目の日。
立春から数えて210日目の、強風が吹くとされる日。

ピーターパンも又三郎も、ひととは異質なもの;魔 でもあるのだろうと思う。

風はなにを連れてくるの、
風はなにを知らせるの、
風に向かって私はどう在ればいいのだろう。

李々佳・・縷々綿々

占い師:李々佳のあれこれ雑記・・・ どこへいくかわからない散漫な話ですが、目に留めていただけたら嬉しいです。 「リーディングケース」では今までの実占例をご覧になれます。

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