雨続きで痛む関節をだましだまし過ごしています。「薬の効き目が出るまで2~3ヵ月」と言われた通り、あれ、いつの間にか手の強張りも痺れもずいぶん楽になりました。もともと、フットワークが軽いほうだったはず、少しずつ外へ出ることもはじめようと思いましてね。
この日は曼殊沙華を見に、巾着田へ出かけることにしました。この時期、ウチの近所の用水沿いに咲く彼岸花が大好きで、この花の名所として紹介されるここを、以前から訪れたいと思っていました。カングーからN-ONEに乗り換えた夫が遠出をしたそうだったので、彼に車を出してもらうことにしました。
雨模様のこの日、曼殊沙華はもう見頃の終盤で、火のようだっただろう赤も色褪せてきています。それでも、無数の緑の茎の上に、花火のように華やかな形をした花々が群れて咲く景色は圧巻です。白っぽく色褪せていくもの、花弁を散らせて種を宿しているもの、来年へと命を繋ごうとする花が多いなかで、蕾をたたえたものもわずかに残っていました。
木々の間に、クラシカルな意匠の橋梁の下に、緑色と赤のコントラストが幾重にも重なって奥行をもって目の前に拡がっています。建物の脇には猫が丸まっていて、大きな蜘蛛の巣があちこちにかかっていて、雨に煙る花が静かに揺れて・・見つめていると、足元が浮くような、くらくらするような感覚に包まれました。ああこの花は、その名の通りこの世のものではないのかもしれません。
ぬかるむ散策路をすれ違うひとと譲りあいつつ、園内を歩きます。案内板を見て、なるほど巾着型に拡がったこの土地に、花が咲いているのですね。靴もズボンの裾も泥にまみれますが、この幻想的な光景を見られてよかった。曼殊沙華をイメージしたソフトクリームと、お土産にも買った名産の栗味のソフトクリームで一息入れて、少しトリップしたかのような、曖昧な世界から戻ってきました。
帰路に検索したレストランは「窯焼きダイニング 桜の木」。天井の高い、広々とした空間に大きなソファ、ゆったり過ごして、お腹も満たされました。来年は、もう少し早めに出かけてみましょう。
No War Please