セールの誘惑

セールですね。どこも、サマーセールです。
洋服に関して買い物依存症の私は、いま、街に出かけるのは危険極まりない。
その昔、好きなひとに「あなたは買い物を少し減らしなさい」と言われ、
今は衣替えに四苦八苦する私に「とにかく半分捨てろ！」「半分捨てても一生間に合う」と家人からの厳しいご指摘。

先日も、銀行周りで駅前に出て、その後母に面会に行く予定の日で、
ぎりぎりになってしまったと、無料制限時間を気にしながら、駐車場に向かっていました。行けば買ってしまうブティックには近づかないよう、あえての遠回り。

ところが、ビルの地下駐車場に続く階段横に、前から気になっていた、インポートものも多く揃っていそうな、お店に寄る時間が15分だけありました。

店先には大々的にSALE!!のディスプレイ。
え、店内全品40％OFFって・・・15分なら試着する時間はないから、ちょっと見るだけ。
見るだけで済まないのが、私の依存症の症状です。そして、試着してしまったら最後、どんな新人さんスタッフでも、私にはカンタンに販売できます。ベテランの方なら、あれもこれも、というパターンにもなりがちです。
自他共に認める「カモ」ですから、セール期間は買って後悔がないかどうかチェックのためにカードを必ず持ち歩くか、止めてくれる友人と一緒でなければ、というところなのに、その日はどちらも私の傍にはいなかった。

長々と言い訳をしましたが、
この2点が戦利品（？）です。・・・いや、自分の欲望に負けたのですが。

2点だけど、4点です。
ワンピースのように見えるこれは、グレーのシンプルな綿ジャージワンピに、コットンのボーダー柄ブラウスがセットになっていて、フランスっぽいソフトマリンテイスト、ブラウスの両端のリボン結びと、グレーワンピースの絶妙な丈にやられました。

肩がまるきり出てしまうチュニックは、アイボリーにグレーのタイダイ染め風なキャミソールに、重ねる編み編みキャミソールとのセットです。編み編みは、ポリエステルにポリウレタン混紡の、ちょっとハードな印象もあるのに、この色調が優しく見せます。いや、キャミは、3年前に封印したはずが、口の悪い家人に「痛い」といわれることは必至だからと、誘惑を振り払おうとの僅かな抵抗をしたのですが、
重ね着にすればOKですよ、なにか羽織ったりインナーにフレンチスリーブもいいし。でもお客様、肩のラインが綺麗なんですから出していただいたって素敵です、と販売スタッフさんが仰る・・。（えー、それは違うのよ、私は肩幅が逞しいので思い切り出すか隠すかってラインなのよ、綺麗ではないの・・・とココロの中で呟いてみるも）その、流れるようなセールストークの前には、なんの効果もありませんでした。

唯一、言い訳できるのは、もう1点試着した、金茶色の織柄、プリント、そしてカッティング共に凝ったTシャツと、優秀なスタッフさんが合わせて差し出したもうフィット感ばっちりのダメージデニムをなんとか振り切ったこと。

でも、深刻な依存症は、買ったものを傍から忘れてしまうそうですから、これをこう合わせて･･･とイメージできる私はまだ大丈夫でしょうか・・・

だけどやっぱり、この洋服たち、可愛いのです。