母の帽子
ホームの人から聞かされたときは、
あれ、ついに認知症状のひとつの特徴である発言なのか(盗られた、とか隠された、とか・・)と少し緊張した。
「私のニット帽がないの」と言ったそうだ。
母と話をしてみるとそういうことじゃないらしい。
もともと帽子好きな人だし、ホームで帽子を被っておられる方もいたりで、
また、夏物は先日の散歩以降、替えようと思って持ち帰ってしまったから。
母が倒れる前に愛用していたものは姉の家にあって、すぐに連絡がつかなかったので、
とりあえず私のものを今日持っていった。
寝たり起きたりなので、3点ともベレー風のものになった。
被らせると、「どうかしら」と言うので、鏡を見せる。
「おばあさんみたいね」
その色のことを言ったのだろうが、いや、充分過ぎるほどおばあさんなので、大丈夫よ。
年齢相応でいいと思います。
ところで、この黒のフラノのものは、四半世紀前(恐ろしく前ですね)に、友人の結婚式に母が縫ってくれたドレスに合わせて、ちょっと頑張ってオーダーしたものです。帽子のオーダーメイド、が憧れでしたし。帽子箱、というのにも憧れて(笑)。
まあとにかく、にこにこ笑ってくれたので、良かった。
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