七夕の逢瀬


父の命日が近くなので、施設に預けている母を外出許可をもらって連れ出し、墓参に出かけた。予報は生憎の雨とのことでまた私のせいか?と思ったが、幸いに雨脚が強くなったのは移動時間で、無事に墓参を済ませた。

昼食は、前日、栄養士さんとST(言語療法士)さんとに確認すると、今ペースト食だけれどドリアやネギトロ、プリンやゼリー・・といった柔らかめのものでOKとのこと。ビュッフェ形式の店を探したが、この日重要な男手である、孫たちの願望も考慮し、焼肉店で母はコムタンクッパと、抹茶のアイスクリームと久しぶりの珈琲を。
「施設では出ないでしょ」と、デザートを勧めたのだったが、夫が「施設では出ないでしょ、ビールにする?」と茶化したり。私が介助で自分の分が進まないでいると、一応満足したらしい次男が「代わるよ」と、私より上手に(私はどんどん口へ運んでしまうが、彼は母のペースで母が自分で口に運ぶよう促したりしていた)介助をしてくれた。
母の車の乗り降りに際して、母を進んで抱きかかえたのは長男だった。

食事の後は、ショッピングモールで「要らない、要らない」と言う母に、数枚の夏物のTシャツを。そこには映画館も入っているので、今度いいのがかかったら観に来ようか、と言うと、母は嬉しそうにしてくれ、そこにいた長男は「いいね」と言った。(ということは、運転と車椅子の乗り降り介助を引き受けてくれるってことよね)

母も、車中では久しぶりの窓からの動いていく景色に感想を言ったり、ゆき過ぎる看板の文字を読んでみたり。いつもよりちょっとお喋りだった。昔話もした。「あなたがこーんな小さい頃・・・」。

そうして終始和やかに1日の遠出を終え、施設に帰ると、母は流石に疲れた顔をして、夕食前の時間横になる、と言った。そして、「ありがとう」「楽しかった」と言ってくれた。

ねえ、お母さん、
お墓の前で、お父さんと何を話したの?

母の部屋には、父の写真が子どもや孫の写真と共に飾ってあるが、時々手元に渡すと、父の写真を丁寧になでる。ヘルパーさんが、「だんなさん、いい男ですよねえ」と言ってくれると、とても嬉しそうに恥ずかしそうにころころと笑う。

ねえ、お母さん、
来年も七夕に会いに行こうよ。織姫と彦星みたいに。

李々佳・・縷々綿々

占い師:李々佳のあれこれ雑記・・・ どこへいくかわからない散漫な話ですが、目に留めていただけたら嬉しいです。 「リーディングケース」では今までの実占例をご覧になれます。

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