『異動問題』part4・・展開A
展開A、ライン部分のリーディングです。
自分の夢でもあり、その手ごたえも感じていた彼の本社への異動は、頓挫してしまいました。
それでも、そのなかにあって彼は「隠者」で顕されるように、自分の立場とそのすべきことについてわきまえています。周囲に協力者がいないことも(ポジション8「女教皇R」、加えてポジション6「節制R」)承知の上です。彼は私に言いました。「ああ、やっぱりこの状況じゃあ本社異動が難しくなりましたね」
占的は異動についてなので、彼は、それを一時自分の『内に秘めて』、『粛々と』『その知識を以て』現状を捉えようとする姿勢です。
そして、彼の周囲の状況といえば、『組織内の人間関係の悪さ』があり、また彼の環境がその『出世コースを外した』要因なのです。彼の事情に照らすと、彼がいなくてはこの事態収拾は厳しいと皆が捉えているのです。
そしてポジション9;「法皇R」は、彼の所属する支社の長が、誰より彼を手放したくない張本人であることを示し、支社長の権威を見せつけることで、彼の異動を硬直化させる様子が出ています。ここは、『質問者の能力』を示す部屋ですが、『願望と惧れ』とされるポジションでもあり、彼が『不誠実』なのではなく、組織内の上部の『権力の乱用』『形に拘る』のは組織側、という象意をとります。
最終結果は「恋人R」、彼の異動問題はこうした流れによって、『他人の干渉』があったがために、彼の『希望の道が選べない』というカードとなってしまいました。
それでも、やはりポジション1;「デス」がポジション10「恋人R」になる というのがこの展開のベクトルです。「恋人」はロマンスのカードであると同時に人間関係、選択を象徴するカード。
彼は「隠者」であるゆえに、動かない事態を”揺らぎ”にまで持っていけるのです。
それまでの数々の展開でのなかで、彼の異動はあり得るという可能性が高かったものですから、余計にこのAの結果は残念です。が、「デス」⇒「恋人R」なのですから、この展開の先に時間の経過とともに明るい未来も含まれています。
カードはリバースに顕されようと正位置の象意を持つものです。だからこそそのカードが選ばれます。そこが弱い、とか、そこに注意して、という警告です。そして、問題を紐解くには前後左右の関連性が大切です。そうでなければ、10枚目のカードだけでいいことになってしまいますから。
ここで、まず『異動問題』のケースは前半部終了です。
次回、BのリーディングとA、B比較に言及していきたいと思います。
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