”上目黒記念図書館”



”上目黒記念図書館”というのは、架空の図書館です。

私が、当時アニメの専門学校で注目されていた(私的には繁華街を両隣に持つその街の、緑のある閑静な雰囲気といった顔が好きでしたけど)街にあった、小さな広告デザイン事務所に勤めていた頃、先輩デザイナー新保さんが、作ってくれたブックカバーです。
仕事の合間に、彼はよくこうした細々としたグッズを作ってくれたものです。彼が絵を描いたシールとか、封筒や便箋、ボードゲーム、オブジェ・・・

新しさと懐かしさを持つようなデザインをする彼は、目黒に若くて可愛い彼女と3匹の仔猫と住んでいました。くるくるとよく動く目をした彼女は明るく元気なひとで、アパレルのお仕事終わりに、彼と一緒に帰ろうとウチの事務所によく顔を出しました。彼女が来るとムードが華やかになる、事務所のアイドル的存在でした。
背の高い新保さんと小柄な彼女はお似合いのお洒落なカップルでした。

通勤に1時間半かかったので、行き帰りの文庫本は必須アイテム。このブックカバーは嬉しくて、愛用させてもらいました。写真にうまく写らなかったけれど、使われているのはベージュに細かく織り柄の入った厚紙です。そして裏表紙はこんなふうになってます。
これに使われてるフォント、しっかりしたゴシックですが、なんていったかなあ・・・・当時2Dのデザインにキャドは用いられていなくて、写植屋さんに無理をお願いしたり。そんなこと、あれこれ思い出します。



GWではどこも混んでるかなあと買い物に出るのも億劫な気がして、この時間をチャンスにとずっと見ないふりをしていた、かなり多くの文庫本を押し込んだ地袋を整理した時、出てきたんです。
(私と夫はそれぞれ雑読の本好きで、また、本って捨てられなくて溜まっていくばかり・・・)
(もうひとつ地袋一間分にも文庫本が押し込められていますがそちらはまた今度)
(夫のものらしいポ〇ノも出てきて、湯舟に落としたらしいふやけた本と一緒にとりあえず捨てました)



もう〇十年前の日々を、懐かしく思い出し、ふたりはどうしてるかなあと思いました。
このカバーがかかっていた本は、『フィリップ短編集』でした。
最初の数ページ目にブックマークしてあったから、読み直します。

李々佳・・縷々綿々

占い師:李々佳のあれこれ雑記・・・ どこへいくかわからない散漫な話ですが、目に留めていただけたら嬉しいです。 「リーディングケース」では今までの実占例をご覧になれます。

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