『秘密の恋・・・彼女の気持ちは?』

これは、10年ほど前の占例です。
彼の部下として、5歳年下の家庭のある女性が配属されました。
半年経ったある日、職場での忘年会の帰り、帰路が同じふたりの間でアバンチュールが
起きてしまいました。

彼を質問者としてカード展開していますが、実は私は彼女のお話を聞いています。
彼女はこのラブ・スプレッドの使い手で、彼との逢瀬のなかの遊びとして彼との恋を占ってみせました。
自分を相手側に設定してカード展開をしたのです。
そのとき、これをどう読むべきか?と問われ、私もリーディングしました。
今回は特に、カードの上下の関わりに言及しています。

★今回用いているスプレッドはラブ・スプレッド、そのリーディングルール等は
  3/31 「ラブ・スプレッド」 と、4/20 「彼の気持ちと今後の恋愛の状況はどうなる?part1」
  をご参照ください★

ポジション1;(ふたりの現況)月と裁判の女神R、
ポジション2;(彼の気持ち)恋人と女教皇R、ポジション3;(彼女の気持ち)フールと節制R、
ポジション4;(それぞれの周囲の要素)法皇と吊るし人R、

ポジション5;(未来に繋がるキーカード)審判R、
ポジション6;(近未来)女帝Rと戦車R、
ポジション7;(最終的なふたりの状況)悪魔と星R




当時、この恋愛の現況は、既にふたりが秘密の恋の状態にあることを示し、彼女は自分の家庭を壊すつもりはないことがポジション1に顕されています。
それでも、彼女は彼に対し、無垢で天真爛漫なともいえるかもしれない、恋だの愛だのというよりは一緒にいて楽しい、ただ好きなだけ、という感情を持っています。しかし、その深層心理には、少々幼児性を感じさせる我儘さが顕れていて、彼女の『恋に恋する』気持ちであるとか、『彼のほうから自分への愛情を示してほしい』といった気持ちが窺えます。
ここで、ポジション3の上下関係に触れるなら、彼女は自分の我儘さに気づかないまま、彼への冒険的な恋心を実感しているといえます。

彼女の身勝手ともいえるこの気持ちはどこからきているのか?と、ポジション4を参照すれば、彼女はその結婚生活なのか、対人関係なのか、なにごとかをずっと我慢してきて報われず、その徒労感に覆われたことから、逃げるように彼とのロマンスを選んだということのようです。

一方、彼の気持ちは心の根底に『このまま彼女に振り回される惧れ』を抱いているにも関わらず、彼女のことを恋人として認識し、燃える愛情を寄せています。彼の背景には「法皇」、仕事の場面で彼は役職に就いているのでしょう、皆に尊敬され信頼されている様子があります。彼の深層心理に示された「女教皇R」には、『組織の人間関係が自分の浅薄な行動によって危うくなる』ことをも意味しますから、だからこそ彼の危惧として顕れたのでしょう。
でも、彼は彼女への恋心で、その危惧を抑え込んでいます。

さて、直近の未来に示された「審判R」。お客さまに示された時、「デス」よりも「タワー」よりも、痛々しいがゆえに説明に注意を要するこのカード。ひとことでいうなら、『別離』を示すカードです。彼と彼女が一時的に別れるのでしょうか?

いえ、キーカードとして未来の流れをつくるポジションに示されたことと、最終ポジションと全体の流れ(まず全体の展開から何を掴みとるかが、リーディングにおいてもっとも重要です)を見ても、これは彼と彼女の『別れ』を暗示するものではありません。

ポジション4での彼女の背景と、ポジション6での彼女の状態「戦車R」;『暴走或いは停止』を考慮すれば、彼女がこの彼とのアバンチュール以前に誰かに恋をしていて、その恋が間もなく終わる様子を示したものと思われます。

彼女は少し、自暴自棄気味に彼に夢中になっていく様子が示され、彼のほうは自らはっきりできない態度のなか、彼女に流されるような状態となっていくのでしょう。
最終的には、このアバンチュールは「悪魔」で顕されるところの『既婚者への愛の成就』となり、ふたりは離れられない・・そう、カードは語っています。

”ふたりの恋愛関係の充実” を、主眼とするなら、”不倫関係で構わないからこの恋愛を続けたい” のなら、この非日常的でパーティのカードとも私が捉えている「悪魔」は、彼女にとって歓迎すべきなのかもしれません。ですが、その当時、私には ”彼女への警告” のように感じました。
なぜなら、彼女にはもちろんそのつもりはないものの、自分側の事情で軽い気持ちで始めてしまった恋が、彼を夢中にさせ、彼女を離さないような執着さえ持つ状況に至ってしまいそうに思えたからです。

そして、最終ポジションのサブカード;「星R」は、なんだか切ないです。きっとふたりには『共通する感受性』があったのに、一線を越えない付き合い方ならば、ふたりには男女として向き合うものではないかもしれないけれど、爽やかな友情が結ばれたのに・・・ それを訴えているように思えたのです。

・・・・・・・・
確かに、当時、彼女は他の男性に恋をしていました。でもその恋は実らず、その後、彼と彼女は数年に渡って不倫関係を続けていました。
独身の彼に異動が内示されたとき、彼女は ”もう潮時かもしれない” と思ったのだそうです。
彼女は、彼に憎まれる覚悟を決め、一方的に連絡を絶ちました。
彼は職場を変えた彼女を待ち伏せして「ちゃんと別れてくれ」と迫ったのですが、彼女はただ頑なに「もう二度と会わない」と返します。
その1年後、彼女のバースデイに彼からのメールが舞い込みましたが、彼女は返信することなく自分のメールアドレスを変えたそうです。

彼女は私に言いました。
「自分が傷ついていたからといって彼を傷つける理由はなかったのに」
「彼に憎まれるならそのほうが私のためにいいから」

でも、私は思います。もう、彼は彼女をとっくに許しているのではないかと。

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李々佳・・縷々綿々

占い師:李々佳のあれこれ雑記・・・ どこへいくかわからない散漫な話ですが、目に留めていただけたら嬉しいです。 「リーディングケース」では今までの実占例をご覧になれます。

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