このケースで、示されたカードを再掲します。

まず、お話を聞く前のワンオラクルとしては「吊るし人R」
ポジション1；（ふたりの現況）皇帝と節制、
ポジション2；（彼女の気持ち）太陽Rと力、ポジション3；（彼の気持ち）世界と法皇、
ポジション4；（それぞれの周囲の要素）マジシャンRとタワーR、

ポジション5；（未来に繋がるキーカード）月R、
ポジション6；（近未来）吊るし人Rとデス、
ポジション7；（最終的なふたりの状況）隠者Rと星R

最終カードから判断すれば、この恋は「皇帝」（＋「節制」）⇒「隠者R」（＋「星R」）の状態になってしまう・・時がこのまま進めば、彼女は彼を信頼できず自分の五感で確かめたものではない憶測によって独りネガティブな状態となってしまうでしょう。『恋の沈滞』を示すこのカード；「隠者R」。そして、彼のほうは元々『理想の女性』『憧れ』を意味する「星」をリバースで持ち、彼女への憧れや想いが実感できず彼女への未練や邪推を抱えるようです。2枚のカードに共通する象意は『邪推』。

現状で恋愛関係を彼女が生み出せる意志を持ち彼がそれに合わせようとしているのに、ふたりそれぞれ閉じこもりお互いを疑うような関係になってしまうのはなぜ？

勿論、この結果は彼女が望むものではありませんから、ポジション1～4の現状に戻ってマイナスカードを探し、更にポジション5～6の流れを確認していくことで、現状を改善できます。であれば、流れは変わり、結果的に未来を変えられるのです。

彼女が今までになく強い言葉で彼に自分の気持ちを伝えたために、現況において彼女はこの恋のアドバンテージを握っています（「皇帝」）。そして彼は、彼女から伝えられた想いを受容しふたりの間にこれから恋が始まる予感を抱いている様子です（「節制」）。また、彼のほうが今まで連絡を途絶えさせていたのに、彼女からはっきりしたメッセージを得たために、彼がきっと持っていたであろう不安をも解消された様子だとも読み取れます。

彼のその状態を裏付けるように、彼女への彼の想いは心のベースに彼女への深い思いやりを持ち（「法皇」）、彼の自覚する感情はこの上ない愛情を示す「世界」が顕れています。彼は、自分が連絡を絶っていたのに、彼女が彼と続いていきたいことを読み取り、ほっとして彼女への素直な愛情を強く感じているのです。

なのに、彼からの連絡がメールのやりとりの後、電話待ちという状態になってしまったのは？と、彼の周囲の要素を確認します。「タワーR」です。これが、未来を彼女の不本意なものとした原因のカードだといえそうです。
彼の状態（「節制」）や深層心理（「法皇」）を考慮して、彼の身に何か『感情面のトラブル』が起こっているのではないでしょう。つまり仕事面でのトラブル、というわけではなく、なにか身内に関わることの様子です。

ここで、彼女の気持ちにも触れておくと、心の底では彼への揺るがない強い愛情に自信があるのに（「力」）、彼の連絡が途絶えていた時間に彼女は『疲れ』を抱えてしまったようです（「太陽R」）。「太陽」は、オールマイティに物事を解決するカードなので、”事象”のポジションに示されるならリバースでもそんなに悪いことはないのですが、心境を示すポジションに示された場合は『太陽の光が降り注いでいる状態なのに当の本人はそれをふり仰ぐことをしない』ということですから、なかなかに厄介です。彼女は自分のなかに彼への強い愛情があることを思い出せないほど疲れを感じています。

彼女の周囲の要素としては「マジシャンR」ですから、彼女の心理状態に強く影響している物事としては、彼からの連絡がなかなかつかなかったことです。ついたと思ったけれどまた躱されるようなムード；運気　も示されてしまった様子です。
やはりこれは、彼側の「タワーR」が大きく関係していると考えます。

さて、直近の未来として「月R」が出ています。これは、何事かが明らかになることを示したものでしょう。ポジション6の状態をつくるきっかけなのですから、彼の背景にある「タワーR」；『近寄っている危険』が明るみになると捉えます。

ここで、ポジション6；近未来　において、彼側のカードは「デス」。「デス」の第一義は『停止』ですし、別れのカードです。ですが、彼の現在の気持ちをみても状況（この恋の捉え方）をみても、彼女との別れを彼が選ぶとは到底思えません。そして、ポジション5；キーカード　からくる流れなのですから、これは彼の身近に何かの停止状態が起こると考えるべきでしょう。一方、ここで彼女に選ばれたカードは「吊るし人R」、展開前のワンオラクルに顕されたものです。ここに強いメッセージ性があると考えるべきです。”彼女は自分の恋心を放棄してしまうのでしょうか？”

・・彼の身辺に起こる何事かの停止状態は、そのまま彼女への連絡ができない状態をも生むことも示唆しています。カードは呼応しているので、彼からの連絡が得られない状況下で彼女は『自分の今までの献身が無駄な努力であった』との想いに捉われ、この恋心を手放す状態が予想されてしまいます。

そして、最終ポジションに顕れた『恋の沈滞』が起こってしまいそうなのです。
彼には「星R」が示されているので、彼側の事情によって連絡が途絶えそうだけれど、彼は彼女に非常に未練を残し、悔やむ状態が出ています。

この未来が顕在化しないようにするには、注目すべきカードは彼女の顕在意識たる「太陽R」といえるでしょう。
どうぞ、彼を待つことに疲れないで。心の奥にきちんと持てている彼への強い愛情を思い出して。あなたにはこの恋を持続する力が既に備わっています。
疲れたら、彼からの連絡がないせいだと思いつめずに、『彼を愛している自分』を思い出して。疲れたら、身体を動かしたり太陽の光を仰いで浴びて、世界は広く優しく美しいことを実感して。どうぞ、彼に会えずとも連絡がなくとも、彼に会えた奇跡を思い出してなるべく笑っていましょう。

彼は、あなたに最高の愛情を持っています。彼の連絡はある時期途絶える可能性がありますが、それは彼の周囲の問題に拠るものです。あなたを嫌いになるわけでもなく、彼もあなたと会えないことを嘆き、失意を憶えるでしょう。

それなら、彼が現在持ってくれている「世界」で顕されるところの愛情を信じ、彼女も彼への愛情を手放さない決意がこの恋を維持する原動力になるはずです。
彼のこれからは、彼女への連絡を途絶えさせざるを得ない状況となっていきそうですが、彼女との最終結果で『恋の沈滞』は示されても、決定的な『別れ』は示されませんでした。未来は変えられるのですから、彼女がこの最終結果を覆すことを私は信じています。

彼女は、占いの前には『彼に送った、初めて強気に出たメールで、彼の心は私から離れてしまったと思って』おられたそうです。彼女は占いの後で、『彼の気持ちを信じて、連絡が来るのを待ちます。今、私に出来るのは、不安になる自分に負けないで、ただ待ち続けることです。』と言ってくださいました。

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