ⅩⅣ.節制/カード徒然
天使が水瓶を両手に持ち、片方から片方へ一滴残らず移し替えている図が描かれています。『一滴残さず』・・大変『合理性』に富んだことを意味しています。
「節制」は『日常』『usual』を顕します。このカードの象意を並べるならば、『自制心』『節度』『倹約する』『慎ましやか』・・・結構地味なイメージがあるもので、もう6年くらい前でしょうか、過去にあるひととタロットカードの話をしていた時、まるで生活臭のない魅力的な女性だった彼女はその地味なイメージから『大アルカナのなかでいちばん嫌い』と言いましたっけ。彼女ならではだなと思いましたが、わかる気もしました。
さて、このコロナ禍は、このカードがリバースになって示されます。過去には3.11のときもその状況をしてさしてこのカードがリバースでよく出てきました。『日常がガタついている』というイメージです。因みに、『非日常』を示すカードは『パーティ』のカードともいえる「悪魔」です。
先の彼女が地味なイメージを嫌ったように、アップライトに示されたからといって、特別素敵!という感じではありません。『日常』なのですから。ただ、このコロナ禍の状況のように、当たり前だった『日常』が歪んでしまってあの『穏やか』な『あたりまえ』『いつものこと』が尊いものだと身に染みるように、このカードはリバースになると途端に息苦しさを増すイメージが出てきます。心身に、人間関係に『不調和』が起こるさまを示します。
私が捉えている第一義は『受容と調整』です。これ以上でもこれ以下でもない今を静かに『受容』してこの今を如何によりよきものへ『調整』していくか・・・
よりよきものへ変容させるとき、それ以前に今あるもの、今もつものを『受容』し『知足』の意思を持ってこそ、今にへこたれずによりよきものを目指せることを教えてくれています。『知足』は今に甘んじるという意味ではなく、ただまず『受け入れる』こと。そのうえで『調整』を重ねようとするその姿勢は、志あって今を生き生きと生きる姿勢です。このカードは、『穏やか』な顔をして実は強かな性質を持っているのです。
コロナ禍にあって、私もどうもプチ鬱です。フットワークの良さを身上とする双子座ゆえか、そこが封じられた空気に萎れてしまうこともよくあります。そのようなとき、今のコロナ禍を(致し方ないので)『受容』したうえで『usual』をひたすら守ろうと意識するように調整中です。『usual』のなかには、自分と”約束”した『習慣』があります。それをひとつひとつ丁寧に見直そうと思いなおします。
でもね、やっぱりもやもやすることも、サボることもあって、その自分も受け入れつつ、そのあたりも『調整』しつつ・・ですね。
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