ⅩⅩⅠ.世界
「世界」。『完成』を第一義とするカードです。
完成の“完”は、finという意味でもありますから物事の『終わり』を意味することが多々あります。でも「デス」が示す『終わり』と異なるのは『卒業』という色合いがあることです。
タロットカードは、定義の線が曖昧といいますか、同じカードがスプレッドの同じポジションに出たとしても、質問者の抱える問題のありかた、事情、経緯によって読み方が大きく異なることも往々にしてあるのです。占いはごく個人的なものですが、例えば「世界」のカードが印象的だった占を振り返ると、それぞれに「世界」が象徴するイメージがぴたりとはまる、そんなこともよくあるのです。
ずいぶん前の事例ですが・・
彼女はその仕事を辞めたくなかったけれど、彼女の捉える職場の人間関係は悪化していました。何度かみさせていただいていて、ある時最終ポジションに「世界」があらわされました。彼女がその辛い心情を語るとおり、カードの流れは彼女にとって歓迎するものではありませんでした。それなのにその辛さがあってこその『卒業』であるとカードが告げているようです。『今悩んでいること、辛いこと、そういうものがあってこの時代(彼女のその職場にいる時代)が完成するんだ』そんなふうに言っているようでした。
その後、彼女は就業中に感情があふれてしまって、突然辞めるということをしてしまいます。一方で、彼女は副業をしていました。突然の辞職の後、副業を続けながら就活をはじめましたが、副業に割く時間がだんだん増えて、副業はメインに移行していきます。その後私にご報告くださったとき、『辞めて正解だった、メインになった副業の業界で充実している』と言いました。
「世界」は『完成』のカード。『これ以上はない』という意味でもあります。彼女がその職場ですべきこと/学ぶべきことは『すでになかった』のですから、『卒業』のタイミングだったのでしょう。それを「世界」が暗示したのです。
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