雨の中で
「李々佳さん、遂に嵐を呼びますか」
と冗談を言ったオーナーが、今日はもう終わりましょうと、鑑定業務は早い解散となりました。
駅までの道では強い風の音に負けない大きな声で笑いあう若い女の子たち、私たちも傘は意味がないくらいすっかり濡れてしまい地下鉄の構内に駆け込みました。
19日夕、珍しいという6月の台風上陸。台風4号(1号はいつなのだったっけと毎年思います)は、今、風を唸らせて横殴りの雨を降らせ、昨日鉢替えをしてベランダに放置した植木鉢が割れました。
その数時間前、私は一日中密室に居ることを苦痛に思うので、空いた時間に散歩をします。そのときも小雨ながら細かい、濡れるいわゆる小糠雨が降っていて、まだ風は出ていませんでしたが、ビルの間に覗く空は、渋谷の街が駅を底にすり鉢のような形をしていることも加わってか、濃灰色が重苦しい圧迫感で、これからの嵐を予感させていました。
と冗談を言ったオーナーが、今日はもう終わりましょうと、鑑定業務は早い解散となりました。
駅までの道では強い風の音に負けない大きな声で笑いあう若い女の子たち、私たちも傘は意味がないくらいすっかり濡れてしまい地下鉄の構内に駆け込みました。
19日夕、珍しいという6月の台風上陸。台風4号(1号はいつなのだったっけと毎年思います)は、今、風を唸らせて横殴りの雨を降らせ、昨日鉢替えをしてベランダに放置した植木鉢が割れました。
その数時間前、私は一日中密室に居ることを苦痛に思うので、空いた時間に散歩をします。そのときも小雨ながら細かい、濡れるいわゆる小糠雨が降っていて、まだ風は出ていませんでしたが、ビルの間に覗く空は、渋谷の街が駅を底にすり鉢のような形をしていることも加わってか、濃灰色が重苦しい圧迫感で、これからの嵐を予感させていました。
小学生の男の子たちが、傘を遊び道具にどこかテンション高い様子でふざけあっていて、私も幼い頃に たいふう、という言葉が妙にわくわくするものであったことを思い出しました。
宮下公園に着くと、木製のしゃれた階段は雨に濡れて光って美しく、濡れてしまって座れるベンチはなく大きな木の下で雨宿りをしながら、ちょっとしたステージのようになっている空間で汗を光らせて長いことダンスの練習をする少女たちを眺めました。
サンダルの足元が気持ち悪くなっていることも気づかずに、眺めていました。少しだけ、若さを羨む気持ちがあったみたいです。
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