やっぱり猫が好き

あれは幼稚園の頃、これから住宅街に整備されるっていうところに住んでいて、家の裏には畑が広がり、静かで、のどかなカンジのする土地でした。越してきたばかりの平屋建て、実家家業の仕事場から続く裏庭は、まあまあ広く、土の広場だったので私と姉は、そこでままごと、ビニールプール、縄跳び、ボール遊び・・・と遊び場にしていました。
その日は、縄跳びで遊んでいました。家の裏の畑のほうから何頭もの犬の鳴き声が大きく聞こえ、恐怖を感じた瞬間、野犬が牙を剥いて駆け込んできました。私は縄に足をとられて転んでしまい、自分では状況把握できませんでしたが、後で聞けば7頭に馬乗りになられて噛み付かれていたそうです・・・
和室を掃除していた母が、エプロン姿のまま箒を振り回して追い払ってくれたのですが、噛まれた後は中学生になるまで残りました。犬が怖い、という意識は結構な大人になるまで残りました。

どんなにおとなしくて有名な犬も、私には必ず吼えてびびらされます。こちらの怖い、という感情を読み取るのですね。だから、親戚や近所や慣れ親しんだ犬以外は完全にダメでした。自分が子どもを持ったりして(怖がってる場合じゃないとか)、または犬の習性を知識として得たりして(彼らより下の順位をつけられないようにすればなめられないとか)、また、ペットフードのパッケージデザインの仕事にも従事する中で(犬の撮影があったりすればその可愛さを感じるとか)、だんだんと犬が苦手ということも克服し、むしろ犬が好きになっていくんですけど。アップした写真は義弟のとこの愛くるしいハナちゃんです。

克服前のエピソードを一つ。
もう野犬などいない時代、残業で最終電車を降り、最寄り駅からいつもの近道;ちょっとした林の中の数十mを歩いていると、後ろからひたひたと肉球の足音。「あー、夜中に散歩させないでー」

走ったら追われると思い込み、段々早足になるのですが、サスペンスドラマのように後ろの足音も近づいてくる様子です。半泣きになりながらふと気づいたら、前をサラリーマンが行く。とんでもなく非常識だったのですが、彼に小走りで近づき強引に腕にしがみつき、「突然すみません。犬がどうしても苦手で通り過ぎるまでこうしてくれませんか」
あり得ないですよね・・
見知らぬ方でしたが優しい方で、犬が違う方向へ走り去っていくまで、隣にいてくださいました。友人には「人間のが怖いのよ」と言われましたが、そんな人ではなく、本当にありがたかったです。

今でこそ、近くのドッグランで駆け回る大型犬を見かけても「いいなあ、可愛いなあ」と素直に思えるまでになりましたが。でもやっぱり猫が好き。


李々佳・・縷々綿々

占い師:李々佳のあれこれ雑記・・・ どこへいくかわからない散漫な話ですが、目に留めていただけたら嬉しいです。 「リーディングケース」では今までの実占例をご覧になれます。

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