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恋愛における場面で、自分のほしいものに素直だった。
貪欲であったといえるかもしれない。

友人と恋人、恋と仕事、昔の愛と今の情熱、壊すことはできないわけと刹那のロマンス…
選択の場面で、いつも選ばなかった。


若かったから、恋に深く傷ついた過去を時間が癒すことに同意などできなかったから。
泳ぐように生きているのだ、と自分に信じこませて、今は選ばなくてもよいと決断を先延ばしにした。
同じ繰り返しであったのに、大切な選択から逃げ続けてきたことへの自覚はなかった。
いつからか過去の傷は自身と共にあるものになっていたから。
いつからかその傷を事実と違うものに置き換えていたことにも、あえて気づかぬふりをした。

悲しいけれど、選択と向き合わないことは、軽やかなつもりがずっと傷を温めてきていたことに違いない。


年を経て、ある日気づく。


選ばなかったから失ったことに。



李々佳・・縷々綿々

占い師:李々佳のあれこれ雑記・・・ どこへいくかわからない散漫な話ですが、目に留めていただけたら嬉しいです。 「リーディングケース」では今までの実占例をご覧になれます。

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